本当に英語が苦手なITエンジニアのための英語学習法
前回TOEICの勉強法についてまとめたので、今度は英語学習全般についてまとめてみる。
「英語が苦手」の定義
学生時代に英語をまともに勉強していない人。名のある国立大学を出ておいて「一応受験でやったけど忘れちゃった(テヘ)」とか言っちゃうファッション英語苦手野郎はお断りである。僕の場合、大学受験を経験していないので、中学→高校→大学という普通のルートを通った人に比べて基礎力が本当にない。高校でまともに英語をやってなくて、中学レベルもあやしい、そういった人が対象。
読み終わった技術書の原書を読む
「英語を勉強しているエンジニアは技術書は英語で読もう」といったアドバイスはよく聞くと思う。技術書で使われている英語はわかりやすい言葉が使われている、というのがその根拠のひとつだろうが、こういった手合いは我々英語苦手ガチ勢を舐めすぎである。僕もリーダブルコード*1の原書をKindleで買って読んだが、知らない単語やニュアンスがわからない表現が多くてやめてしまった。簡単な英語だろうがなんだろうが英語なんだからわからないものはわからない。しかも技術書は普通新しいことを学ぶために読む。初めて知る内容を自分の母国語でない言語で読むのだから理解できないのは当然である。
そこで僕がおすすめしたいのが、一度日本語で技術書を読み、その後は英語で読むというやり方だ。技術書はその性質上、何度も読むことが前提になっている物が多いと思う。一度ざっと目を通して、後で必要になった時に特定の箇所を読みなおす、というプロセスは多くのエンジニアが日々経験していだろう。その「一度ざっと目を通す」というところだけを日本語訳で読み、その後は原著を参照するようにするのだ。もちろん二度目を英語で通して読んでもいい。一度日本語で読んで概要は頭に入っているので、英語で読んでも頭に入りやすい。
僕がよくやるのは、日本語訳の方を図書館で借りてKindleで英語版を買うというやり方だ。Kindle版の本は安いし、日本語版を図書館で借りれば無料なのでかなり安くつく。電子辞書ならば辞書が引きやすいため、知らない単語で詰まってもすぐに調べることができてストレスが少ない。ストレスが少ないということはすごく重要だと思う。自主的に英語を勉強する上であまりにも負荷が大きいとやっぱりやめてしまうからだ。
興味のある分野のPodcastを聞く
英語学習としては定番の方法だと思う。その時に注意したほうがいいのは
- 自分の興味のある分野に絞る
- 同じエピソードを繰り返し聴く
という2点だ。繰り返し聴くというのは非常に重要。英語苦手ガチ勢が一度聴いて理解できるわけがないので、繰り返し聴いて少しずつ内容を理解するようにするといい。一度にたくさんのPodcastをSubscribeして(自分が理解できない)新しいエピソードを大量に聴いてもあまり意味が無い。それよりも同じエピソードを何度も聴いてしっかり理解するほうが英語力アップにつながると思う。何度も聴くには自分が好きな内容のほうがいい。つまらない話はやっぱり頭に入ってこないし苦痛。
僕が最近よく聴くのがAmerican Hot TopicsというPodcastだ。音楽や映画など軽い?話題が中心だし、英語と日本語で会話が進むので理解しやすい。ALL EARS ENGLISHも会話で使うフレーズの細かいニュアンスを解説してくれるので、勉強になると思う。アプリはOvercastを使っている。早すぎると感じる場合は再生速度を調整しよう。
https://itunes.apple.com/jp/podcast/american-hot-topics-ying-hui/id934331688?mt=2&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog
TOEICの勉強をする
別に英検でもいい。要は高校生のときにちゃんと勉強していた人たちに追いつくのが重要だ。僕も1年頑張ってようやく600点を超えた。勉強法については以前まとめたので、そちらを参照してほしい。
lang-8でつぶやく
英語はやっぱりインプットだけでなくアウトプットもした方がいい。英会話スクールも悪くないが、初心者がやっても効果は小さい気がする。Lang-8は適当に日記を書きなぐればネイティブに添削してもらえるので、英語苦手ガチ勢にもおすすめだ。中学英語を駆使して英作文をしよう。書く内容が思いつかない人は普段Twitterに書いていることをつぶやいてみればいいと思う。このサービスは本当に気軽に書き込めるのが魅力だと思う。
Lang-8をやってみて、「自分はあまりにも英作文のスキルに乏しいな」と感じたら改めて英作文の勉強をすればいいと思う。必ずスピーキングのスキルアップにもつながるはずだ。特に瞬間英作文がおすすめ。
英語環境にする
普段から自然に英語に触れるようにしておく。英語に触れる回数が増えればそれだけスキルアップにつながる。具体的には、
などがある。
やらないほうがいいこと
映画やドラマを観る
映画などで使われている英語はレベルが高い。英語苦手ガチ勢は基礎から出なおした方がいい。ある程度自信がついてからにしよう。
英語ニュースを観る
ニュースで使われている英語は(ry
英会話教室に通う
講師がこちらのレベルに合わせてくれるので、コミュニケーションをとれた気になるが、英語力の向上にはつながらない(もちろん英語苦手ガチ勢の場合)。これもある程度基礎を固めてからでいいと思う。ただ、違う国・文化で生まれ育った人とコミュニケーションをとるのは楽しい。全く無駄とは言わないので、やりたいならやってもいい。ただし基礎的な勉強は怠らないこと。
まとめ
どんな勉強をするにしても、やっぱり楽しんでやるというのが重要だと思う。そのためには自分の好きな分野の英語コンテンツに触れるのが一番手っ取り早い。自分のレベルを見極め、自分にあったコンテンツに触れよう。何を選ぶにも繰り返しは絶対。
あわせてどうぞ
ようやくTOEICで600点を超えたので勉強法まとめ
去年の12月にTOEIC-IPを受けた。目標は700点だったのだが、残念ながら結果は610点。600点台後半はあるだろうと思っていたので、ややショック。リーディングが悪すぎた*1。とはいえ1年前は400点を超えるのがやっとだったレベルなので、これでも結構頑張った方だと思う。せっかくなので、ここに教材+勉強法をまとめておくことにする。
過去のTOEICの受験結果
語彙力の強化
僕は学生の頃まともに英語の勉強をしていなかったので、とにかく語彙が乏しかった。400点台の人ならわかると思うけど、そういう人はリスニングの選択肢すらまともに読めないし、リーディングも時間をかけたとしてもほとんどの文は意味を理解することすらできない。それは文中で使われている単語の意味を知らないのだから当たり前。TOEICのスコアップのために語彙力を強化するのは避けては通れない道だろう。僕が実際に使った教材は以下の2つだ。
新TOEIC TEST 出る単特急 金のフレーズ
TOEIC向け語彙の教材としては定番の1冊。TOEICで使われる語彙に厳選してあるので、本番のTOEICで本当によく出る。むしろ、この単語を知らなかったらそりゃあ点取れないよなという単語ばかりだ。12月の受験前1ヶ月半ほど集中してやりこんだが、まだ後半部分は覚えていない単語が多い。
勉強するときの注意点としては、とにかく繰り返し繰り返し声に出して読み込む、音を聴くこと。ダウンロードできる音声データが100語ごとに1ファイルになっているため、普通1日100語ずつ進めることになると思うんだが、そのときに絶対に一度で覚えようとしないこと。一度に覚えようとすると大抵なかなか覚えられなくて苦痛だし、またすぐに忘れてしまって記憶として定着しない。覚えにくい単語は「そのうち覚えられればいいや」くらいの気持ちで繰り返すことに専念したほうがいい。毎日やれば、なかなか覚えられない単語も1〜2ヶ月くらいたった頃に突然定着し始める。単語の暗記は単調でつまらないが、継続していればそのうち覚えられるので、はじめのうちは無理に暗記しようと気負わずに気楽にやろう。
[asin:4900790052:title]
[asin:4900790079:detail]こちらも定番。金のフレーズを買う前はこちらを使っていた。だがやや難易度が高いため、現在TOEIC400点くらいの人にはおすすめしない。知らない単語が多すぎると継続するのがかなり苦痛になってくるので、見出し語を確認してあまりにも知らない単語ばかりの場合は他の教材を使った方がいい。英語教材として優れているのは言うまでもないので、継続して使えるならやっておいて損はないだろう。
勉強法としては、復習用CDの音声をiPhoneに入れてシャドーイングをやった。詳しい説明は以前書いたのでそちらを読んでほしい。
リスニング対策
リスニング対策としては、とにかく公式問題集のリスニングパートの問題文をひたすら聴きこんだ。トランスクリプトを読み、NHKの語学プレイヤーで1.2倍や1.5倍速くらいで丸暗記してしまうまで聴きこむ。一応公式問題集の5と6両方やった。リーディングはあまり好きではないので、リスニングばかりやっていた。あと、結構大事なのがPart3, 4の問題文を読む練習。先読みしないと本番のTOEICの問題スピードについていけないので、本番前にPart3,4を通しで練習しておくと良いと思う。
(追記)TOEICは2016年から出題形式が変更になった。それにあわせて公式問題集も新しいバージョンが出ているので、これから買う人はそちらで勉強いしたほうがいい。
リーディング対策
リーディング対策はそれほどやらなかったのだが、一応Part5,6の対策だけはやっておいた。TOEICテスト 究極のゼミ Part 5 & 6という本を使った。問題の系統ごとにテクニックがまとめられているため、自分の苦手な問題が何なのか把握することができる。
Part7の対策は、まあやらなくても600点くらいならなんとかなる。
参考にしたサイト
「TOEIC 勉強法」みたいなワードでググると、相当な量の記事が世の中にあることがわかる。勉強法だけ詳しくなってもスコアは伸びないが、参考になるエントリはたくさんあるし、勉強のモチベーション維持にもつながる。いろいろと目を通しておいて問題はないだろう。
いろいろと記事を読んだが、僕が一番参考にしたのがTOEIC 900点&英会話上達をめざす英語勉強法・参考書まとめブログ|Enjoy Life in English!というブログだ。大抵のTOEIC関連検索ワードで上位にくるので、適当にググったら必ず目にすることになると思う。中でも、アビメ(公式認定証)に関するエントリ*2は、弱点の分析と対策の方法を丁寧に説明してあるので、かなり役に立つ。
enjoylifeinenglish.blog112.fc2.com
TOEIC対策以外の勉強
上に書いたもの以外では、Podcastを聴いたり、瞬間英作文をやったり、lang-8に日記を書いたりした。ただ、これらは息抜きのためにやっていたくらいで、あまりTOEICのスコアアップに役立ったとは思っていない。手っ取り早くスコアを上げたかったら、やはりTOEICに特化した勉強をやったほうがいい。
まとめ
TOEICの勉強法を、
- 語彙力強化
- リスニング対策
- リーディング(Part5,6)対策
の3つの面から紹介した。
TOEICのスコアだけを上げても実践的な英語は身につかないが、僕のように英語が苦手な人は実践どころかTOEICすら取れない、というのが実際のところだと思う。TOEIC向けの勉強をすれば最低限の語彙・文法・リスニング力などは身につけないといけなくなるので、やっておいて損はないと思う。何より定量的な短期目標を立てやすくなるので、勉強のモチベーション維持にもつながる。英語の基礎すらあやしい人は、英語の勉強としてTOEIC対策から手をつけるのも悪くない戦略だと思う。
あわせてどうぞ
TOEIC-IPを受けた
会社でTOEICを受験した。目標は700点。予想スコアは650-700くらいか。700越えてたらいいなぁ。
過去の結果
模試について
受験前に新公式問題集Vol.6で模試を行った。結果は以下の通り。
Listening | Reading | Total | ||
---|---|---|---|---|
TEST1 | 素点 | 80 / 100 | 56 / 100 | 136 / 200 |
TEST1 | 換算レンジ | 330-420 | 205-300 | 535-720 |
TEST2 | 素点 | 73 / 100 | 62 / 100 | 135 / 200 |
TEST2 | 換算レンジ | 300-385 | 235-325 | 535-710 |
本番で模試以上の実力が出てれば700超えもありうるが,ちょっと厳しいと思われる。
英語のプレゼンに使えるフレーズ集
社内の研修で英会話のレッスンに通っているのだが、そこのアドバイザーに業務で英語を使うシチュエーションはあるかと聞かれた。そのシチュエーションに合わせてレッスンをカスタマイズしてくれるそうだ。幸い(生憎?)業務で英語を使う機会が全くないと伝えたら、では将来ありうるシチュエーションはあるかと聞いてきた。将来のことなんてわかんねーよ!と進路面談中の中学生のようなセリフを言うこともできず、僕は「プレゼンテーションとか…」とゆとり世代が得意とする断言回避スキルを見せつけた。するとアドバイザーは資料をプリントアウトしたものを出してきた。会話の最中に資料を印刷したらしい。憎い手際の良さだと思った。
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