駄文型

プログラミングとか英語とかの話題を中心にした至極ちゃらんぽらんな日記です。

SIerを卒業してついでに首都圏も脱出しました

※本稿は個人の見解であり所属する組織のうんたらかんたら

新卒で入社した会社を8月に退職してIDCフロンティアに転職して福岡で働きはじめた。

前職について

前の会社は一応SIと呼ばれる業種をやっている会社だったのだが、別に銀行システム云々とか、多重下請け構造云々とかとはあまり関わりがないところだった。大手の製造業のグループ会社として、親会社や他のグループ会社向けにシステムの開発や保守運用をやっていて、単体の企業規模はそれほど大きくなく、グループ外向けの案件は少ない。あくまで僕がいた部署の話だが、案件規模は小さいものが多く、既存のシステムの改修案件を主にやっていた印象がある。顧客は親会社がほとんどだったので、既存システムやユーザの業務の知識はすでに社内に十分にあり、顧客の業務知識とそこそのIT技術が強みの会社だった。親会社は歴史あるメーカで、社員を大事にする昔ながらの日本企業といった感じで、僕のいた会社にもそういう文化があった。充実した福利厚生、休暇制度、終身雇用などなど。働きやすいいい会社だったと思う。僕が退職するときも、引き継ぎに関して顧客との調整をしっかりやってもらったお陰で、僕の希望した通りのタイミングで今の会社に移ることができた。

転職の動機

別にSI is deadみたいな感情はなかった。狭い世界で働いていたのでSI業界のことよく知らないし。一言にすると「自分の人生を自分でコントロールしたかったから」というゆるふわな理由なんだが、色々と具体的な動機がある。

ひとつはもっと自分の技術を磨きたかったという点。前述の通り、前職の会社は顧客(親会社)の業務知識が重要で、いい仕事をするには業務知識や既存システムの仕様を理解していることが重要で、技術力というかちゃんとしたコードが書けるかどうかは二の次といった雰囲気があった。実際社内にはコードは書けないが設計とプロジェクトマネジメントをする人がたくさんいた。それ自体は全く悪いことだとは思わないし、親会社のビジネスを通じて社会的に意義のある、しかもインパクトも大きいプロジェクトに携われることはすごくすばらしい仕事だと思っていた。しかし一方でそうした環境で働くということは、そのグループ特有の仕事の進め方やルールに従い、特有の知識や技術を身につけることが出世するためには重要だということだ。実際前の会社では、既存システムやユーザの業務に精通し、親会社の予算権限のある偉い人と面識があって仕事を取ってこれる人が「できる人」とみなされていた。もちろんコードがバリバリ書けて違う意味で「できる人」もいて、そういう人も周囲から一目置かれていたが、そういう人の生産性の高さを活かしてさらに技術を極めていってもらうのではなく、営業やプロジェクトマネージャーの仕事をやらせていた会社だった。僕は幸運なことに新卒で入社したあと3年半ずっとコードを書く仕事をさせてもらえていたのだが、やっぱりみんな一律にプロジェクトマネージャーになることが当たり前という風潮が社内にあって、他に選択肢があること自体意識していない人が大半だったため、僕もいずれコードを書く仕事を離れてマネジメントをするのが当然と思われていた。それは僕の個人的なやりたい仕事とは違っていたため、会社が求めているスキルと自分が高めたいスキルにギャップがある状態がずっと続いていた。

また、他の会社では役に立たない知識や技術を深めていくことに危機感があった。今いる会社がなくなったりクビになったり、あるいは個人的な都合でやめざるを得なくなったりしたとき、今いる会社で身につけたスキルが他の会社でも活かせるか?どこに行ってもやっていける自信があるか?と自問したとき、答えがノーであることは僕にとってつらいことだった。やっぱりどこへ行ってもやっていける自信がないまま会社員としての日々を長年過ごしていくと、今いる会社にしがみつくような働き方になるんじゃないかなぁという不安が強くあった。言うまでもなく業務知識は非常に重要な要素だが、それだけでやっていくことにには抵抗があった。今の会社にいれば「優秀なビジネスマン」になれる可能性はあるが、「優秀なエンジニア」にはなれないように感じていた。

あとは会社のトップの人間がITを知らない人たちだったため、現場から見て経営層がやりたいこととやっている施策がちぐはぐな印象を受けたため、そういうのもなんだか嫌だなあという思いがあった。

前の会社はネットスラング的?には一応「ユーザ子会社」に属することになると思うんだが、よく言われているような特徴そのままだった。それは僕にとってすごく悲しいことだった。そんな状況でid:hotchemiさんのSIerを退職しましたを読んで、「あーわかる」とわかったつもりになりながら「転職っていう選択肢もあるのか」とぼんやり考えていた。はてブでWeb系企業で働く人達のエントリを読みつつ、こういう世界もあるんだなあと知って憧れると同時に、このままここにいていいのかという焦りが募っていった。同時にWeb系というか、自社サービスを持っている会社で開発エンジニアとして働くことへ憧れも出てきた。

もうひとつの大きな動機は実家のある福岡で暮らしたかったという点。今年子供が生まれて、両親に孫の成長をもっと見せてあげたいとか、横浜は人多いし道は狭いしでベビーカーで移動するの大変だとか、いろんな理由で家族みんなにとって福岡に住むことが最善の選択だった。会社に九州の拠点は全くなかったので、福岡で暮らすには会社を変える他なかった。自分が住む街くらいは自分で決めたかった。

転職活動

はじめのうちは福岡に移住することは意識していなかったため、東京のベンチャーを中心に受けていた。Wantedlyで良さそうな会社を探して、「話を聞きに行く」を押していった。面談は平日の19時に設定してもらって、定時に上がって横浜から東京に向かっていた。面談は面接と違ってこちらが聞きたいことをたくさん聞けた。

  • 事業内容概要、社会的意義、ビジネスモデルなど
    • まだ創業の浅いスタートアップの場合はこの辺重要だと思う
  • どういうエンジニアがほしいか
    • 評価制度と一致しているかが大事
  • 試験や面接でどういうことを聞くか
  • 開発フロー、使用している言語、ツールなど
  • 採用フロー
  • 中途採用の給与の決まり方、給与レンジ
    • まだ本エントリー前(こちらが優位な立場)なので、聞きにくいことも積極的に聞いたほうがいいと思う

面談の印象が良かったところに本エントリーして、採用フローに進んだ。大抵の場合、書類審査、技術試験、面接の順でフローが進む。会社によっては書類と技術試験のどちらかがなかったり、同時にやったりしていた。技術試験はメールベースでやりとり。Webテストのところもあった。「以下の問題を解くアルゴリズムを書け」とか「〇〇とは何か説明せよ」みたいな問題。面接では転職の動機や今の職の技術的面の説明について聞かれ、基本的な技術的質問(MVCについて説明して下さい、とか)を受けた。面接は基本的に平日の昼間だったので有給をとった。転職エージェントは使っていない。

僕の場合、業務での経験ではアピールポイントが乏しかったので、本格的に活動を始める前に事前準備を時間をかけてやった。Railsチュートリアルをやったり、TOEICの勉強をしたりRubyでちょっとしたものを作ったり。勉強した内容はブログにまとめて、ちゃんと外部にアピールできる形で残した。どれも大したことないものだが、何もないよりはマシと思ってちょっとしたことでも記録に残した。

転職系のサイトだけでなく、いろんなメディアを読むのが重要かもしれない。採用を積極的に行っている企業は、メディアでの宣伝に力を入れている事が多いので、PR記事やインタビュー記事で「ここで働いてみたい」と思える会社に出会える可能性が上がる。実際僕も今の会社には#FUKUOKAという地域系のメディアの記事で偶然知った。

上で書いた通り、技術的に向上できない環境が嫌で転職活動をしていたので、「技術ちからつきそう」とか「面白いことできそう」と自分で思えるところなら別にSIerでも良かったんだが、「自社サービス持ってるところよさそう」というゆるふわな感じで受けてたら運良くオファーいただけたので、そこで転職活動活動は打ち切りにした。

IDCフロンティアについて

IDCフロンティアはデータセンター事業、クラウド事業を展開している。僕は今、福岡で働いているが、福岡に大きな拠点があるわけではなく、多くの社員は東京でYahooと同じ本社のビルで働いている。社内には開発エンジニアよりもインフラエンジニアが多い印象。クラウドの需要増加の流れに乗ってデータセンターを増設したり中途採用を大幅拡大したりしている。

所属はR&D部門で、クラウド事業の「3歩先」を見据えてクラウド業界の新しい技術を調査したり実際に触ってみたりしている。IoTプラットフォーム化がクラウド業界のキーワードのひとつで、そのあたりが現在のR&Dのトピックだったりする。僕自身は現在大学との実証実験プロジェクトに参加している。RailsとNode.jsを中心に触っていて、時々Rも触る。僕が今作っているのは顧客が直接触れるプロダクトではないというのもあって、かなり自由にやっている。Elixirを使ってみたりした。マイクロサービス的な設計が必要なこともあり、「そもそもマイクロサービスとは」みたいなところから勉強し直した。また、Linuxを業務で触った経験がなかったので、OSの知識も不足していて、勉強力が試される毎日だったりする。今のところ自分の中で専門性を持ちたい分野が具体的にあるわけではないので、チームや会社の事情に合わせて必要な知識を仕入れている感じ。いずれは独自の専門性を持ったエンジニアになれたらいいなと思っている。社内に自宅にラックがある人がいたり、隣の席にYahooのフロントエンドエンジニアがいたりして、刺激的な環境で仕事ができているので、今は満足している。職場から歩いてAppleStoreに行けるので嬉しい。

ITインフラの会社なので、完全に自由な働き方ができる会社ではないのだが、朝方勤務ができたり、フレックスタイム制を試験的に導入したり、一部社員に週休3日制を導入したり、人を集めたいという動機もあってか、柔軟な働き方ができるような制度が増えてきている。僕も朝方勤務制度を活用して、7:30から16:15までの勤務を続けている。17時ごろには自宅に着くので、子供をお風呂に入れたり夕方の昼寝(?)の寝かしつけをしたりできる。本当はもっと早く来て早く帰りたいが、朝食や電車の都合があるので難しい。ちなみに朝6時に来て15時頃には帰る同僚もいる。

フルチャージ入社

IDCフロンティアにはフルチャージ入社制度というのもあって、入社日から1ヶ月の特別有給休暇と祝い金100万円がもらえる。僕も前の会社の有給休暇の消化と合わせて2ヶ月間休みをもらった。そのおかげで家族との時間をゆっくりとれて、娘の毎日の成長を感じられる充実した休暇がとれた。あとは勉強したりジムに行ったり、熊本の人吉や大分の別府に旅行にいったりした。

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SL人吉の写真。

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宿泊先。レトロな雰囲気で良かった。

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青井阿蘇神社。国宝指定されているらしい。

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川下りのときの写真。

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別府タワーからの眺め。

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うみたまごでの写真。

I visit Fukuoka Yahoo! Dome to watch a baseball game now!

野球観戦にも行った。

まだ試用期間が終わっていないので、祝い金はもらっていない。中の人の話によると、会社に直接応募してもらうことで採用にかかる費用を抑え、それを応募者に還元するという考え方らしい。なので100万円引いた金額の給料でオファーがくるとかそういう裏はない。

福岡への移住

上で書いた通り、横浜から福岡に移住した。僕も妻も出身が福岡県内なので、Uターン移住のような格好になる。福岡に住むメリットは何と言っても生活コストの低さで、賃貸の家賃は首都圏と比較して相当安い。横浜に住んでいたときの部屋と今の部屋は、金額的にはマイナス5,000円程度だが、駅まで徒歩15分だったのが10分以内になって、部屋全体は一回り大きくなった。横浜だったら多分倍くらいの家賃はするようなところなので、満足度は倍くらいになった。博多まで電車で10分弱、天神までは20分弱で行ける町なので、もっと都市部から離れればさらに安くできると思う。

あとは「人が多すぎない」というのがメリットで、カフェやレストランもスムーズに入店できるし、ベビーカーでの移動もすごく楽だ。横浜だと郊外に行っても人が多いので、「人避けゲー」を強いられていて結構ストレスだった。天神と博多はともかく、郊外は歩行者が少ないので子持ちには本当にありがたい。電車も平日の通勤時間帯以外は空いているので結構座れる。福岡市の人口は約150万人、都市圏全体でも約300万人程度なので、首都圏とは文字通り桁が違う。

JR九州は観光に力を入れていて、観光列車が多い。特急列車も格好いい。駅で日常的にななつ星ゆふいんの森号が見られる。817系のような車内がきれいな電車に普通に乗れる。

それから、個人的には実家が近くなったので、気軽に実家に帰ったり逆に来てもらったりして、親の孫の成長を見せられるのも嬉しい。食も合う。福岡というか、九州はタレとか醤油とか味噌とか、味付けがなんでも甘い。魚は安くてうまい。あと公園が多い気がする。野球チームが強い。サッカーは弱い。

車は持たなくても生活できるけど、「郊外のベットタウンだが駅周辺はそこそこ栄えてて普段の買い物には困らない町(横浜市内で言うと鶴見、青葉台、上大岡、戸塚、二俣川のような町)」が福岡市内にはないっぽいので、その点は注意した方がいいかもしれない。車での移動がベースのようで、商業施設が分散している印象がある。スーパーやコンビニや100円ショップなどの最低限のお店はちゃんとあるけど。車を持たずに東京のように便利に暮らしたいなら中央区博多区の中心地に住む必要がある。そうすると生活コストの低減というメリットが薄くなる。が、それでも東京の郊外よりは安い。

地方に移住するとなると「職がね…」「給料がね…」という話になりがちな現状があるので、それを払拭するためにやっていこうなという気持ちがある。そのためにまずは「お前ダメだから東京来て働け」と言われないようにアウトプットしていかないといけないかなと思っている。そして福岡の音楽シーンを盛り上げていって、福岡を日本の西海岸にしていこうぜという野望がある。本音を言うとイケてる人たちが福岡のテック界を盛り上げていってくれればそれに乗っかりたい。

移住したばかりでテンションが上っているところなので個人的には福岡最高他は糞まだ東京で消耗してるのというくらいの気持ちなんだが、東京が大好きな人の気持ちもわかる。東京にしかないものはたくさんある。音楽イベント大好きガチ勢とかサブカル系の趣味の人とか、東京じゃないとだめな人は多いと思う。それに福岡にもよくない面もある。道路の陥没はともかくとして、鉄道会社間の連携が悪いとかパチンコのCMが多いとかやたら質屋が多いとか。それでも福岡は総合的に見て住みよい街だと思うので、来てくれる人が増えたら嬉しいなと思う。

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上記の通り、弊社は積極採用活動中のため、ご興味のある方は中途採用のページを御覧ください。

www.idcf.jp

また、弊社にご興味のある方のうち僕に非公式に話を聞いてみたい方、弊社にはまるで興味ないけど転職や地方移住に興味がある方はTwitterにメンションください。あと、福岡に住んでいる友人知人を絶賛募集中です。僕の個人的な友人はほとんど東京か神奈川か北九州にいるので、福岡市周辺に友人がいなくてちょっとさみしいのです。IT系の会社に勤めている人もそうでない人も、メンションくれると嬉しいです。普段はいつも真面目に社会問題について真剣に議論している好青年です。

転職の赤本

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シンプル・パワフルIDCFクラウド攻略―ワンコインではじめる大規模システム構築

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