駄文型

プログラミングとか英語とかの話題を中心にした至極ちゃらんぽらんな日記です。

デメリットを呼びかけるだけではExcel方眼紙との闘いには勝てない

f:id:arimotomira:20141229222041p:plain

一応以下の日記の続き。

Excel方眼紙との出逢い - 駄文型

Excel方眼紙って?

Excel方眼紙とは、Excelの縦幅と横幅を同一にして方眼紙のような状態にして文書を作成する手法。企業や学校などの事務屋さんが好んで使う(偏見)。役所関係はどうなんだろう。ちなみに僕はExcel方眼紙の印刷ズレによるストレスが原因で両親を亡くしかけたため,Excel方眼紙を親の仇だと思っている。

Wikipediaでの定義は以下。

Microsoft Excelに代表されるセル結合機能を有した表計算ソフトで、縦横同幅程度の狭幅に設定したセルを方眼紙に見立てる様式。 上記の様式を用いて、セル結合機能と罫線機能を用い、ワードプロセッサDTPソフト代わりとして文書作成に用いる、日本独特のビジネス文書作成習慣。

Excel方眼紙 - Wikipedia

何故Excel方眼紙を除かねばならぬのか

Excel方眼紙を根絶するにはまず己を知らなければならない。何故我々はこれほどまでにExcel方眼紙を憎んでいるのだろうか。

  • 入力しづらい
  • メンテナンス性が非常に悪い
  • 表計算というExcel本来の使い方から離れすぎている
  • とにかくダサい

ざっと考えるとこんな感じか。

入力しづらい

これは作成者のセンスにもよるが,入力テンプレートとして配布されるような文書は大抵入力のしやすさに難がある。Excel方眼紙で作成されたフォーマットは,セルの結合によって列と行がバラバラになっていることが多いためtabキーやenterキーでの移動で予期せぬセルに飛ばされることがある。また,セルのサイズがバラバラなため,シート内でもコピペもできないことがある。これも地味だがかなりイラッとくる。画面に表示されている内容と実際に印刷したときの文字の位置が違うことがある。時間をかけて入力した文書をいざ印刷してみると,文字がセルからはみ出してしまっていてもう一度やり直し,という経験をしたことがあるのは僕だけじゃないはずだ。(というかそもそもなんで印刷しなきゃいけないんだ。データがあるんだからそれをメールで送ればいいだろ!あたたかみか!紙のあたたかみが〜とか言うのか!!弊社が使ってるオンボロPCの方がHDDヒュンヒュン言っててあったかいぞ!!)

メンテナンス性が非常に悪い

これはもう本当に酷い。入力すべきセルが小さくて拡大しようにも列幅の変更では全体のレイアウトが崩れてしまう。必ずセルの結合機能を使わなければならない。Execel方眼紙はセルの結合で全体のレイアウトが決められているため,再利用性が著しく悪くなる。

表計算というExcel本来の使い方から離れすぎている

文字の入力だけならともかく,中途半端にに数字を使っているせいで表計算としての機能を制限されているものもある。仕方なく合計値を手計算で入力することも。そもそも数字使わないならExcelじゃなくていいだろ。もういっそ全部手書きで書けよ。プレーンテキストで十分な内容をExcelで送られるとうんざりする。

とにかくダサい

ダサい。Excel方眼紙使っている人私服センスも悪そう。靴は多分ダンロップだと思う。

敵を知る

敵とは何か。Execel方眼紙でファイルを作成する人か,もしくはExcelそのものか。Excelを売っているMicrosoft社か。あるいはExecel方眼紙で文書を作成してしまう人の業かもしれない。

何故彼らはExcel方眼紙を使うのだろう。その理由は想像に難くない。それは単に作成しやすいからだ。セルを方眼紙状にすれば行と列の幅単位で文字と罫線を自由に配置できる。このメリットはなかなか他のOfficeアプリケーションでは実現しづらい。Wordだと上下の配置は問題ないが,左右に文字をずらそうと思ったらインデントを使わなくてはならない。何より罫線を引こうと思ったら表ツールを使うことになる。それだと結局Excelを使ったほうが早い。PowerPointVisioではオブジェクトはピクセル単位で位置を変えられるが,それでは自由度が高過ぎる。文字と罫線中心の文書を作成する場合,1文字分の幅程度の距離を指定できれば十分なのだ。グリッド機能を使えばできなくもないが,Excel方眼紙を使う輩がそんな高等技術を使えるはずがない。期待するほうがおかしい。靴ダンロップだし。

どうすればいいの

以上のことからわかるように,Excel方眼紙を利用した文書作成は作成者の立場のみを考えれば効率的なやり方のひとつであるといえる。これは非常に厄介な問題である。いくらメンテナンス性やユーザビリティの面からExcel方眼紙の有害性を呼びかけても,それらに関わりのない作成者にとってはどうでもいい話だ。

この問題に対して,これまでExcel方眼紙反対派は啓蒙活動を行ってきた。Excel方眼紙の有害性を列挙する呼びかけを行うことでExcel方眼紙を撲滅しようとしてきた。しかし,これだけでExcel方眼紙を無くすことは難しい。前述したようにExcel方眼紙を作る人々には彼らなりのメリットがあるため,それを外部から働きかけることで変えようとするのは容易なことではない。やり慣れた手法を変えるこは学習コストの発生につながる。というよりそもそも反対はの声は彼らには届いていないのではないだろうか。ブログや勉強会,シンポジウム等の場でExcel方眼紙撲滅の旗を上げても,それを見るのははじめからExcel方眼紙に反対している人ばかりだと思われる。これはかなり偏見に満ちた考えだが,あながち間違いでもないと思っている。

ではどうすればいいのか。Excel方眼紙の作成者と利用者という構図をひっくり返してしまえばいいのだ。Excel方眼紙で文書を作成し,それを送りつければいい。具体的には,今後もし自分がExcel方眼紙で作成された文書を送りつけられたら,その相手にもっと酷いExcel方眼紙文書を送りつければいい。メンテナンス性やユーザビリティなどつゆほどにも考えず,むしろ「こうすれば相手は苛立つだろう」という罠を幾重にも貼り付ける。今まで自分が受けてきた屈辱を何十倍にして返すのだ。立場を逆転させ,今までExcel方眼紙を作成することで生み出してきた非生産性の影響を身をもって体験させる。その際は手を抜いては行けない。慈悲の心をかけらでも残してはいけない。相手が心底苛立ち,激怒し,終いには恐怖するような最悪のフォーマットを相手に送りつけ,もう二度とExcelを起動しなくなくなるほどのトラウマ植え付けるのだ。このような地道な復讐によって,かの悪名高きExcel方眼紙を撲滅するほかに我々に残された道はない。

そんなことすれば相手の仕事が滞り,自分の仕事にも影響するかもしれない。あるいは相手からの自分の評価が下がり,今後仕事しづらくなるかもしれない。しかしそんな瑣末な悪影響を恐れてはいけない。大義を忘れることこそ恐れるべきだ。

みんなが協力し合い,いつかExcel方眼紙が日本のビジネスシーンから消えることを祈っている。